南極移動基地ユニット、連結完了と実証実験開始について
2020年5月22日
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
宇宙探査イノベーションハブ
宇宙探査イノベーションハブとミサワホーム株式会社、株式会社ミサワホーム総合研究所、国立極地研究所の4者が取り組む共同研究「持続可能な新たな住宅システムの構築」に基づいて製作された居住ユニットが、南極 昭和基地東側にある見晴らしと呼ばれている一角での連結作業が完了しました。
この居住ユニットは、南極地域観測隊が南極で実施する観測研究のひとつである「公開利用研究」に応募し、採択されました。将来的に月や火星などの居住施設としての利用を目指し、南極という厳しい環境下で様々なデータ取得のための実証実験がこれから始まります。
実証研究は組立の段階から始まっています。宇宙での組み立ては当然ながら宇宙服を着用して行うため、極地で使われるような防寒着や分厚い手袋で作業が出来るのか、また建築の専門家でない人でも容易に組み立てられる設計になっているか、そして何より南極という大変厳しい環境下での運用はどんなものか、実際に作業した隊員からの報告は重要なデータとして今後に活用します。
当初、連結作業は2月に行う予定でしたが、今年の南極は日照時間が昭和基地での気象観測史上1位を更新するほどの好天が逆に災いし、積雪不足でユニットの移動に支障を来したためユニットの移動と整地作業が困難となり、作業に着手することが出来ませんでした。
極夜期間近の日照時間が短く、しかも寒風吹きすさぶマイナス20度前後の中、61次隊の隊員の皆さんに作業をして頂き、本当にありがとうございました。
連結完了後は、気密性の高さや、室内での二酸化炭素の排出などの居住ユニット内の環境データ計測を行いつつ、居住ユニットを隊員の皆さんに使って頂く予定です。
※写真をご利用の際は極地研広報室(kofositu@nipr.ac.jp)へご連絡ください。
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