宇宙探査実験棟

宇宙探査実験棟は、将来の月面探査に向けた技術開発を支える試験施設です。月面の地形や照度環境を模擬したフィールドで、探査ロボットや着陸機の性能評価を実施し、実運用に近い条件下での技術実証を可能にします。

JAXA相模原キャンパスに新設された大型屋内実験施設「宇宙探査実験棟」は、平成29年5月より運用を開始しました。
本施設の中心には、月面の地形や照度環境を模擬できる「宇宙探査フィールド」が設けられており、月面探査に必要な技術の実証・評価を行うための充実した研究開発環境が整っています。

宇宙探査実験棟は、探査ロボットや着陸機などの多様な試験を効率的に実施できる屋内型の総合試験場です。日本の月面探査ミッションにおける技術開発の中核拠点として、実運用に近い条件下での検証を可能にし、未来の探査活動を支える重要な役割を担っています。

特徴

  • 実サイズの探査ロボット・着陸機等を用いた性能・機能確認、運用試験、複数台のロボットの協調試験が可能
    (世界有数の面積と空間高さ)
  • 天候の影響を受けず、高品質の砂の状態や日照等毎回同一条件のもと天体表面を模擬した環境を提供
    (温度・湿度管理、暗室、照明設備)
  • 表面走行試験、着陸落下試験、飛行試験、探査作業操作試験など、多様で一連の探査技術実証が可能
  • 天井クレーン、キャットウォーク等の補助設備による運用性・操作性の高い研究開発環境

主な設備

  • 屋内実験場(宇宙探査フィールド)400㎡(22.6m×17.7m)、天井高さ10.5m
  • 湿度温度管理による410tの細かい珪砂(粒径0.3~0.6mm)、15tの粗い珪砂(粒径3~5mm)による平地、山部、砂礫部
  • 屋内実験場に隣接した探査ロボット等のコントロールルーム(2部屋)
  • 外光を遮断する暗室、人工太陽光照明灯(キセノンランプ)
  • 吹き抜け上部での作業・見学用通路、キャットウォーク、室内クレーン(2.8トン)

問い合わせ先

宇宙探査実験棟にかかわるお問い合わせは、TansaXお問合せまでご連絡ください。

宇宙探査実験棟の紹介動画

  • 宇宙探査実験棟ツアー:探査技術の舞台裏をのぞく(2025年8月の風景)
    SLIMやSORA-Qも試験を行った『JAXA宇宙探査実験棟』は見学ツアーを実施しています。
    Keywords:宇宙探査実験棟ツアー
  • 実験風景:月面拠点建設に向けた実証実験
    Keywords: ヤンマーホールディングス株式会社、月面、建設機器、自動、自律